オープントライアドの全てをここに置いて来た・・・・

クラシカルな響きで、シンプルなだけに応用範囲も巨大。バッハの時代から昨今のコンテンポラリージャズまで頻出のヴォイシングであるオープントライアド

 

ジャズ吉
オープントライアドって何?

 

と言う方も、名前位は知ってると言う方も是非一度読んでみてください!

ジャズだけじゃなく、ロックギタリストにも、他のどんなジャンルのギタリストにも取り入れたら非常にかっこいいコードです!

 

コードワーク以外もジャズなソロが弾きたくてシングルトーンに興味がある方はこちらの記事がオススメです!

 

コードトーンでアドリブを弾こう!5つのステップで完全解説!

 

 

Open Triad Voicingとは?

 

まずOpen Triad Voicingとは何かと言うと・・・

 

Open TriadとはClose Triadの真ん中の音を1octave上か下に移動したもの

 

です。

クローズヴォイシングをオープンにするヴォイシングのテクニックの事をオープントライアドと言います。

これはClose Triadより響きが良く使い勝手も良いですし、トライアドと言う極めてシンプルなヴォイシングを元にしている為、応用の範囲はとてつもなく広く

 

シングルラインに転用したり、シンプルなコード進行でも展開を作れたり、代理和音で使ったりと様々な形に変化させる事が可能

 

です。

ただトライアドを広げただけなんですが、まぁこれが凄いかっこいいし、トライアドを元にしているので

 

ジャズに限らず、全ジャンルで有効に活用可能

 

です。

全ジャンルの全ギタリストにオススメです!

 

Open Triad Voicingの作り方

 

まずClose Triad Voicingがこうです。

 

 

 

上記のTriadの2番目音を1octove上げます。

 

 

 

こうなります。1オクターブ内に収まっていた和音が、1オクターブ以上にレンジが広がりました。これがOpen Triadです。

 

実際のポジション例

 

ここからは実際のポジション例です。

 

Open Triadには転回形が2種類の計3種類のVoicingがあり、6弦 5弦 4弦ルートがあります。

 

C

 

 

C-

 

 

C+

 

 

こちらはオーグメントトライアド、同弦上だと形が一緒ですね。オーグメントトライアドの4thルートだけ2弦の音を3弦に持ってきても良いかなと思います。好みで選んでください。

 

Cdim

 

 

最後にディミニッシュトライアド

 

とても良いサウンドなので是非覚えましょう。

 

ヴォイスリーディングエクササイズ

 

さて!覚えただけではやっぱりどうしようもありません。曲に応用する準備段階で基本的なヴォイスリーディングエクササイズをいくつかやってみましょう!

Open Triad Daiatonic Voice Leading

 

まずはDaiatonic ChordでのVoice Leadingをやってみましょう。

 

 

 

良いサウンドですね。

 

Open Triad 4th Cycle Voice Leading

 

こちらも良いサウンドなので是非やってみてください。

 

 

 

とても良いサウンド、大好きです。

これはメジャートライアドだけですので練習のバリエーションとして

 

  • Minor Triad
  • Augmented Triad
  • Diminished Triad

 

は練習してみるのがオススメ!

 

Open Triad Melodic Minor Diatonic Voice Leading

 

メロディックマイナーのダイアトニックコードだとオーギュメントが出てきますね。メジャーダイアトニックになれたらこちらを練習するとディミニッシュやオーギュメントと言ったコードもカバー出来ます。

 

 

 

とても有用です。いろんなキーでやってみましょう。

 

実際の曲で演奏してみよう!

 

Autumn Leaves on Open Triad Voice Leading

 

それでは実際の曲で展開してみましょう。枯葉でオープントライアドを弾いて見るとこんな感じで演奏が可能です。

 

 

 

良いサウンドですね。ギターで弾いて一番好きなヴォイシングってオープントライアドなんです。力強さと切なさが同居するサウンドと言うか大好きですね。

 

もう1曲やってみましょう。

 

All the Things You Are on Open Triad Voice Leading

 

 

 

かっこいいですね。お前はバッハか!と突っ込みたくなる仕上がり。実際これはバロック的なコード進行で展開するともろバロック音楽みたいになります。

と言う訳でポジションを覚えてエクササイズを何個かこなしたら、曲で運用してみましょう。この後は自分で展開出来る様に何曲も曲数をこなすと言うのが良いかと思います。

 

応用編!まずは覚えたいテンションノートからの解決

 

オープントライアドにテンションノートから解決すると凄くサウンドも良くてかっこいいので紹介します。

オープントライアドのコードトーンにテンションノートから解決します。

 

実際のポジション例

 

まずはメジャートライアドから

 

 

 

こんな風にコードトーンにテンションノートから解決します。

 

次にマイナートライアド

 

 

 

こんな感じですね

 

次にディミニッシュトライアド

 

 

 

こんな感じですね

 

最後にオーグメントトライアド

 

 

 

こんな感じです。

ちなみに他にも選択肢はあるのですが、ここでは全てを網羅している訳ではなくて私が良く使っているものを紹介しています。

 

All the Things You Are on Open Triad Delayed Resolve

 

では曲で運用してみましょう。

 

 

 

こんな風に展開出来ます。かっこいいですね。#11→3rdの所とかたまらんもんがある。

 

シングルラインへの転用をしてみよう!

 

Open Triad and Scale

 

オープントライアドをシングルラインに転用してみましょう。

色々と応用が可能なので沢山のやり方があると思いますが、まずはオープントライアドで上がって、スケールで下がると言うパターンを紹介します。

 

ルートからのオープントライアドで上がってスケールで下がるパターン

 

 

 

こうなります。

 

次に3度からのオープントライアドで上がってスケールで下がるパターン

 

 

 

こんな感じです。とりあえずはこの2つが使い易いので最初に覚えると良いと思います。基本はオープントライアドで下がりトップノートまで到達したらスケールで下るの繰り返し。

これを曲に応用してみるとこんな風になります。

 

All the Things You Are on Open Triad Arpeggio

 

 

 

これはルートからのパターンですね。ルートからオープントライアドで上がってスケールで下がるを繰り返しています。

 

 

 

これは3度からのパターンです。3度からオープントライアドで上がってスケールで下がるを繰り返しています。こうして全部オープントライアドでスタートするフレーズを並べるとクラシック的に響きますね。

こちらは演奏動画もあります

 

ジャズ界の名手Pat Methenyに学ぼう

 

この手法はコンテンポラリージャズギタリストの中ではかなりメジャーな手法でいろんな人がやっています。パットメセニーの初期辺りからかなりの頻度で使われ始めているので、70年代位からやられています。

例えばこれはテーマのメロディーがオープントライアドですね。

 

 

初期のパットメセニーはかなりそのまま演奏していてライブでこの様なシーンがあります。

 

 

All the things you areを演奏してソロ途中に独奏になるんですが、オープントライアドで展開しまくると言うシーンですね。

 

パットメセニーではこちら、セミナーで基礎練を公開と言った動画ですがクオリティは凄いものがあります。その中でオープントライアドで弾きまくる一場面があります。

 

 

いやいや、凄いです。

自分が思うのはOpen Triadをギターで大々的に使うアイデアってPat Methenyがオリジナルで発明したか。バークリーの先生時代にMick Goodrickに習ったか・・・なのかな。

 

ロック界の名手Eric Johnsonに学ぼう

 

Eric Johnsonも超初期からオープントライアドを使ってますね。

Cliffs of Doverと言う彼の代表曲、ここでのイントロのインプロヴァイズっぽい所でコードソロの部分とか、歪ませて単音の部分とかで使用していますね。

 

 

これは勝手な想像だけど、多分メセニーに影響受けたのかな?って思います。このトップノートを固定して、コードでインプロヴァイズするってのがモロメセニーな気がする。

メセニーのBright Size Lifeは1976年発表ですからね。

 

連続して叩き込むオープントライアド!

 

次にオープントライアドを連続して叩き込んで行くと言うものです。単純にこれがラインへの転用だと一番最初に思いつきますが、非常にテクニック的に高度になりますね。

 

取り敢えずのコツですが、ピッキングをダウン、ダウン、アップにする事が大切です。

 

こんな感じで運用する事になります。

 

 

速く正確に弾くコツはピッキングです。ダウン、ダウン、アップです。

 

Shinichi FujiiのEtude#1

 

私もこの手法で1曲練習曲を書いてみました。オープントライアドのシングルライン化のエチュードです。

自作曲なので演奏してみました。

 

 

譜面はこちらです。

 

 

これはオープントライアドを転回していったものを単音で弾いていったものが中心で書いています。練習曲になる様にテクニック的にやりごたえがある様に作ってます。自分で書いたのに難しくて想定のテンポよりちょっと遅くしか引けず・・・これ以上のテンポで正確に出来たら相当技術あるのでは無いでしょうか。是非やってみてください。

 

Julian LageのEtude#1

 

Julian Lageのこの曲もこの手法で書かれています。

 

 

現代音楽的ですね。正にエチュードと言う感じで凄く練習になるので結構弾きましたが、このスピードはかなり難しいです。頑張ってもオリジナルテンポまで行けませんでした。そんなに速く感じ無いんですけどねー。Julian Lage凄いですね。特に右手の脱力具合が素晴らしい。

 

最後にこちらの記事に使われている全ての譜面と動画の譜面をPDFで販売まとめて販売しています。

Jazz Guitar Life Online Shop

こちらにてお買い求め頂けますので、是非ご購入ください!

 

と言う事でオープントライアドと言う応用範囲が巨大なものについて紹介しました。

ギターで弾いたら凄くかっこいいと思うので是非弾いてみてください!

最新情報をチェックしよう!
>Jazz Guitar Life Online Shop

Jazz Guitar Life Online Shop

Jazz Guitar Lifeの記事で使われた音源やPDFを販売しています。記事の内容をしっかり独習したい方はこちらからお求め下さい!

CTR IMG