ジャズギタリストが20年使った1957年製ES-175を語る

  • 2023年2月21日
  • Gear

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今から20年少し前に駆け出しのプロになり音楽の仕事も始め出した時に良いギター買わなきゃ!となり購入したギターがあります。

その時に買ったのが1957年のES-175でした。

 

 

これでギター人生の大半をこのギターと一緒に過ごす事になりました。

今日はES-175を紹介しようと思います。

 

ES-175はどんなギター?

 

まずはどんなギターか紹介したいと思います。

ES-175はGibsonのフルアコースティックギターですね。

 

 

1949年に登場してから今に至るまで作られているモデルです。

 

合板のフルアコースティックギター

 

フルアコースティックギターには一枚の板を削り出している単板と

板を張り合わせる合板があります。

ES-175と言うのは合板になりますね。

 

 

サイド、バックも合板です。

 

 

単板の代表機種ですとL-5なんかが挙げられます。

単板削り出しよりも合板の方がコストカット出来ると思いますので

恐らく最初は廉価版的な意味合いのギターだったのではと思いますが

今となっては音色や操作性において合板もメリットがあると言う感じですね。

 

鳴りを抑えたジャズトーンが魅力

 

これが合板のメリットなんですが

合板でボディ鳴りが抑えられる事によってアンプからの出音が良くなります。

 

 

元からそう言う設計を狙ったのかは謎ですが、結果的にはそうなりました。

単板のギターよりもハウリングに強く、トーンのシェイプも綺麗で、抜ける音が出ます。

合板の廉価版であったギターがここまでロングセラーになった理由も

 

  • ハウリングに強い
  • アンプからの出音が良い

 

この2点にあると思いますし

ES-175にコンテンポラリー系のギタープレイヤーが多く生まれたのもこれが理由と言えそうです。

 

私の使っている1957年製のスペック

 

人気があるのは1960年前後のPAFと言うピックアップが搭載されているモデルです。

1957年ですとネックがかなり太いのが特徴です。

ネックは1959年辺りが普通の握りで、1960年以降は細くなりますね。

 

 

ブリッジは元はハカランダのブリッジですが、1960年代前半のABR-1に換装しました。

鉄ブリッジの方が音がウォームで扱い易いです。

 

 

テイルピースはジグザグテイルピースと言われている物ですね。

 

 

PAFと言うPickup

 

私の1957 ES-175にはPAFと言うピックアップが乗っています。

 

 

今となってはPAF系のピックアップは山の様にある状況ですが

本物の音や傾向は・・・

 

至ってナチュラル

 

に尽きます。

磁力も低く、音量も小さいのでギターの素性がとても良く出るPUです。

最近のPAF系PUと比べると、リバーブ感があると言うか

余韻がある音がすると言うのが他には無いかなーと思ったりしますが

基本的に超ナチュラルな感じなので、リプレイスメントPUとして考えると

こんな特色が無いPU出しても売れないのでは?と思う位に特徴が無いです。

逆に言うとリプレイスメントPUのPAFクローンは大体違うなと思いますね。

 

ずっと使っていて特に思うメリット

 

これはES-175に限りませんがGibsonの王道ギターや特にVintage GibsonやFenderを使用する事に関して

私が思う1番のメリットがあります。

 

みんなが知ってる良い音、あの音が手に入る

 

これに尽きます。

 

 

音作りというのは自分の理想と現実(大衆が求める音や一般的な良い音とされる音)との擦り合わせの作業です。

例えば確固たる理想があり、それが自分の音楽性やギタースタイルとも合致していれば独創的な音で音楽を作る・・・と言う事が可能ですが

これはプロでも人によります。

多くの場合は既にある良い音で音楽を作っている場合が多いと思います。

 

ここで現実としてあるのが既にある良い音と言うのは現在Vintage Guitarとされる楽器で作られて来たと言う事実です。

Vintage Guitarを使った音でプレイすれば、聞きに来ているお客さんの誰もが「素晴らしい音ですね!」と言う事になり、演奏に集中出来たりします。

このメリットに私はかなり助けられて音楽活動を送って来たなあと思いますね。

 

音作りが簡単

 

これも上述の理由と似ていますが、とにかくセッティングが楽で

 

初めて行くお店で置きアンプを使ったとしても殆ど外さない

 

です。

トーンのイメージがどんなセッティングにおいても固まり易いので

このシチュエーションならこう言う音かなと言うイメージもし易いし

バンド編成における音色の作り方も凄くやりやすい。

とにかくどんな環境でも良い音出し易いですね。

 

誰が弾いても良い音

 

これもあります。

私はギター教室をやっているので延べ100人位は私のギターを弾いた人の演奏聞きました。

勿論奏者が上手ければ上手いほどトーンももっと良いんですが、それにしても初心者が弾いたって良い音出るなと思います。

 

ES-175を使っていたジャズギタリスト

 

ES-175は王道のジャズギターなので沢山いますね。

有名な人を紹介したいと思います。

 

Jim Hall

 

まずはJim Hallでしょうね。

ES-175の音色やイメージにピッタリのスタイルと言うか

私が思うES-175のトーンはJim Hallです。

 

 

 

 

Herb Eliss

 

Herb Elissも使っていました。

 

 

Joe Pass

 

Joe PassもES-175ユーザーですね。

 

 

 

Steve Howe

 

ロック系からのエントリーです。

プログレのバンドでも使えるってのがハウリングに強いってのを表していますね。

めっちゃ歪んでますし、この時代なのでアンプの音量結構でかいと思う。

 

 

Pat Metheny

 

Pat Methenyも初期はES-175ですね。

数々の名演を残しています。

 

 

 

90年代前半のSeclet StoryまではES-175ですね。

 

 

Jonathan Kleisberg

 

最近のコンテンポラリージャズギタリストだとJonathan KleisbergがES-175を使っています。

ES-175の持つ守備範囲の広さが伺えますね。

 

 

 

 

あなたはどんな音で弾いてますか?

 

私の演奏は最近まで全てES-175なのでどれを聴いて貰っても良いのですが

主だった所を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

現行品ってどうですか?

 

正直に言います。

余り良く無いです。

カスタムショップならまだまあまあ良いですが、個人的にはコスパは悪いと思います。

初心者や中級者にオススメのフルアコでしたら、こちらの記事に詳しく書いています。

 

ジャズギタリストがオススメする、初めてのフルアコ、セミアコ選び!

 

現行品以外を選ぶとは言え最近はヴィンテージも物凄く高騰してしまったので悩ましい所ですね・・・

 

まとめ

 

以上がES-175の私が使ってきた感想になります。

是非参考にしてください!

 

 

 

 

 

 

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